過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」 2
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6: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/05/01(木) 03:05:32.41 ID:wiguRyO8o

「……じゃあ、ここは任せるぞ。気を付けろよ、垣根」

「はっ、誰に言ってんだ。俺の事を気にかけてる暇があったら、あのシスターへの口説き文句の一つでも考えとけ」

「ったく、お前はホント口が減らねえな」

上条はそう笑うと、踵を返して走りだす。
背後に、垣根と天使を残して。



***



これで、心置きなく目の前の相手と戦える。

垣根は白い翼を更に巨大化させ、戦闘に備える。
様子見はなし。初めから全力でかかる。
そのくらいの覚悟がなければ、あの一方通行を倒した相手には敵わない。

しかし、相手は微動だにしない。
空から降ってきている雪のように静かに、ただそこにあった。

「私を倒す事で、一方通行を越える、か。なるほど、理屈は通っている」

「……何が言いたい」

「そう尋ねてくるという事は、君自身何か思う事があるのではないかな?
 私から見た感想では、君は理由があったから行動したわけではなく、行動する為に理由が必要だったように思える」

「…………」

「一方通行を越える。それは確かに君の中では目標の一つではあるのだろう。
 ただ、その優先順位はどうかな。君にとってその目標は、私と戦うための理由付けに過ぎない……いや」

違うな、と天使は口の中で小さく呟いて続ける。

「あの幻想殺しを禁書目録に会わせる為……かな」

「…………」

「だが君はその理由を説明できなかった。なぜあの少年に手を貸したいのか。
 理由がないと不安になる、その気持ちは分からなくもない。だから、一方通行という分かりやすいものに理由を求めた。
 戸惑っているのだろうな。君は口で言うほど、“イイ事”をしようとは思っていない。そう思う前に、心が動いている」

「……言いてえ事はそれだけか? 悪いが、俺は気が長い方じゃねえ」

「全てのことに、必ずしも理由がいるわけでもあるまい」

天使は両手を差し出す。
その姿はまさに、人間に知恵と授ける神の使いそのものだった。
周りの、科学的な建物の光が、その後光となっている。


「ここに示すがいい。汝の法を」


直後、二つの影が衝突し、辺りに暴力的な轟音と衝撃が広がった。



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