過去ログ - 【モバマス】「きみがいたから」【結城晴】
1- 20
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/03(土) 21:07:54.39 ID:3dnvgWSh0
「結城さん、これから時間ある?」

 放課後、荷物をまとめてたら、後ろから声をかけられた。

 同じクラスの……名前が出てこねぇ。

 ほとんど話をしたことない子だってことだけは確かだ。

「あのね、今度、クラスマッチがあるじゃない?」

「あぁ、そうだけど、それが?」

 クラスマッチってのは、クラス対抗でのスポーツ大会みたいなもんだ。

 今年は女子がサッカーで、男子がバレーボール……だったかな。

 オレは別に、男子のチームと当たるのも望むところだったけどな。

「私たち、今年でもう卒業でしょ? 最後ぐらい、優勝目指してみないかって話になったの。これからみんなで、居残り練習。結城さん、サッカー上手でしょ? 一緒に付き合ってくれたら、嬉しいなぁって」

「悪いけど、これから野暮用なんだ。ごめんな」

「……うん、分かった。今後も続けるつもりだから、気が向いたら、来てね」

 オレは教室を後にして、四年の教室に向かう。

 カーディガン、返さなきゃだしな。

 佐城のクラスはちょうど帰りの会が終わったところで、教室から下級生たちが出てきてた。

 佐城は教室の隅っこで、のろのろとランドセルに荷物を詰めてた。

 誰にも声をかけねぇし、かけられねぇし……薄々気づいてたけど、佐城には友だちって呼べるやつが全然いねぇんだろうな。

「よお」

 教室から出てきた佐城が、びくっとして、それから頬をゆるめる。

「……ゆっくり……おねんね……できた?」

「うるせー。さっさと帰るぞ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
36Res/54.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice