過去ログ - 【モバマス】「きみがいたから」【結城晴】
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[saga]
2014/05/03(土) 21:20:14.23 ID:3dnvgWSh0
「……そんな……先輩方が……卒業されること……心細くて……たまりません」
続きを言おうとして、雪美が言葉を詰まらせた。
その瞳に涙が光ってた。
小刻みに肩を震えさせてた。
体育館に、軽いざわめきが起きる。
黙り込んだ雪美を責めるみたいに。
「雪美!」
気づけば、オレは立ち上がってた。
……あーあ、やっちまったよ。
体育館中が静まり返ってて、みんなの視線が集中してると分かったよ。
そんな中、オレと雪美が、見つめ合ってた。
そんなわけねぇのにさ、ここにはオレと雪美しか、いねぇみたいだよ。
「ゆっくりでいいんだ。雪美の思ってること、言えばいい。最後まで、オレがちゃんと、聞いてやるからよ」
オレが笑いかけると、雪美も笑ってくれたんだ。
それから、はっきりと、頷いてさ。
ありがとう、晴。
きっと、そう言ってたぜ。
「……私たちは……先輩方の教えを……胸に……後輩の……手本となります……。彼らが……苦しみ……道に迷っていた時……手を差し伸べる……勇気を……決して……忘れません。先輩方……大変お世話に……なりました。どうか……何も心配することなく……新しい世界へと……羽ばたいて……ください」
雪美が頭を下げると、すげぇ数の拍手が体育館を埋め尽くした。
もちろん、オレも誰にも負けないぐらいに手を叩いたぜ。
ゆっくりと顔を上げた雪美は、緊張の糸が切れたみてぇに、声を上げて泣き始めた。
頬を真っ赤にして、涙を流す雪美を見てると、不覚にもオレも泣けてきちまった。
ありがとな、雪美。
お前と出会えて、本当に良かったよ。
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