過去ログ - ことり「雉も鳴かずば撃たれまい」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/05/03(土) 23:44:14.17 ID:rmtlvKBk0
「あの、すんません、お会計……」
「………あっ、すみません」
「…ぅい、ちょうどお預かりしまーす」
希は奴隷商人、もといコンビニ店員の声で目を覚ました。
彼女が人前で妄想の世界に入り込むことなどそうそう無かったのだが、
ほむまんとペリメニとはお別れだと思うと感傷に浸らざるを得なかった。
まさかあの二人を一番最初に手放すことになるとは。
希は一足先に大人の階段を上ってしまった友人たちの顔を思い浮かべた。
学校の保健室でなんて背徳的な行為を。明日どんな顔をして会えばよいのだろう。
会計を済ませ、希はコンビニを後にした。
自宅に向かいながら、レジ袋に無造作に突っ込まれた肉まんを取り出す。
「……柔らかいなぁ」
希は肉まんを揉んだ。
ただひたすらに揉んだ。
崇拝するかのように揉んだ。
それしか知らないように揉んだ。
しかし希が満たされることはなかった。
わかっていたはずだった。
あの存在は少女に備わってこそ価値があるものだと知っていたはずなのに。
希の頬を一筋の熱いものが伝った。
愚かだと思った。しかしやめることはできなかった。
まがい物だとわかっていても、希は飢えていたのだ。
そして希は掌を火傷した。
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