過去ログ - 春紀「暗殺に失敗して帰ってきたら厄介なことになってた」
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88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/04(日) 23:40:53.32 ID:lQjyv6pio

こうしてあたし達の奇妙な数日間は終わった。
来週からはバイトもあるし、心機一転で頑張るとしよう。

来る時は暗くて気付かなかったけど、ターゲットの別荘は海辺に建てられていたようだ。
朝日を反射して海がキラキラと光っている。
あたしは武智の運転するバイクの後ろからそれを延々と眺めた。

在学中はよくわからない奴だと思っていて、その印象のまま学園を去った彼女。
まさかこんな形でつるむことになるなんて思いもしなかった。
少々、いや、随分とイカれてるけど、振り返ってみると悪くない日々だった。かも知れない。

きっと、こいつはいつか捕まってしまうだろう。
ただ快楽の為に人を殺すような奴が警察から逃れ続けるなんて不可能だと思う。
鳰の話によると、学園に来る前からかなり危なかったみたいだし。
檻の中であたしと過ごした日々を思い返す武智を想像すると、胸がちくりと傷んだ。
無線機の電源を切って、あたしはしがみついていた武智のその細い腰を一層強く抱いた。

武智の体が僅かに反応したような気がするけど、どうだっていい。
声は届かない。
そうしてあたし達は言葉を交わさないまま家路についた。



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