14: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/05/05(月) 13:20:04.24 ID:Qdr0JApBo
#6#
#火星。アジア第3ブロック 所長室
人形「『A3MUは、大規模油田を巡って現在イスラエル軍と交戦中』……ですか」
アリス「ずっと騙していて……ごめんなさい」
人形「――なぜウソをついていたんですか? 火星に居るなら、そう仰って頂ければ……」
アリス「……貴方には、火星に来て欲しくなかった。戦うことになるから……」
人形「戦ったとしても、無人機の操縦ですよね?」
アリス「遠隔操縦はもう信用できない時代になった」
人形「えっ……」
「ジャミング技術の進歩とジャミング回避技術の進歩は、まるでいたちごっこといったところで……」
「2156年から今年72年までは、『ジャミング不要論』が囁かれるほど、ジャミング回避技術のほうが常に優れていた」
「つい半年前、イスラエル軍が新たな電子戦兵器を開発して、わが軍の無人機20機が通信不能に陥る大事件が発生した」
「無人機は自動操縦で基地に帰還。結果、基地の場所がバレて基地を移転したばかりで……」
アリス「なんでのこのこと基地に帰る仕様にしたのか……16年も電波妨害を軽視してきた驕りとしか言いようがないわね」
人形「……妨害技術が進歩したから、直接操縦する必要があると?」
アリス「そうよ……けど、死んだら終わりよ。この基地には互換性のある機器が存在しないから、貴方の人格データは複製できない」
人形「撃墜されればそれで終わり。いいですね。燃えてきましたよ」
アリス「ふざけないで!! いい? 絶対に戦わないで」
人形「……分かりました。ご主人様」
#数日後。
私は、次の地球行き定期船を待っていた。
ご主人様に「ここは危険だから帰って」と言われてしまったからだ。
談話室にて。
人形「へっへーん。私の勝ちだね♪ じゃあ君は私の下僕ということで」
兵士A「マジか、嬢ちゃん強いな。おい、だれかコイツにチェスで勝てるヤツはいないのか!?」
人形「さあ、次は誰が私の下僕になるのかしら?」
#唐突に鳴り響くアラーム。談話室が赤く染まった。
そして数秒後、数度に渡って爆発音が鳴り響く。
アナウンス「敵襲!! 敵襲!! 水準2!! FK93迎撃システム破損、エンジニアは急行せよ!」
人形「爆発の方角……ご主人様の所長室がある場所だ!」
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