過去ログ - 安価で8レス物語
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65: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/05/24(土) 22:47:54.80 ID:bM5mbd6Ho


#6#


木々の間を縫うように走り抜ける。
こちらは軽装、相手は甲冑だ。その点において、体力差の観点から安心していた。


幼馴染「手を放してくれ、その方が効率的に走れる」

男「ああ」

幼馴染「……クソ。あの甲冑、多分金属じゃないね」

男「なんだって?」

幼馴染「どんどん距離を詰められてる。早すぎる……!」

男「!? ……畜生!! ここまでか!」


崖。神社裏まで来ていたらしい。
崖の底は、今は霧で見えないが、晴れていれば谷底が見えていたはずだ。
落ちて助かる場所じゃない。甲冑が40m圏内に入り込む。


甲冑「カルルルル……キャルルルルルル……」

幼馴染「これは直感なんだが……その竹箒、柄の部分に赤いボタンがある」

男「あ、あぁ……全て理解した。理解しちゃいけないんだろうけど……」

幼馴染「さあ、私の背中に乗って!!」


竹箒に跨った幼馴染の背中に抱き付くような態勢をとる。
そして崖を向き、幼馴染は柄の赤いボタンを押した。
爆音、轟音。勢いで手に持ったカーネーションが全て吹き飛び、花弁が舞う。
竹箒のブラシ部分の中心から、盛大に火を噴き、体が持ち上がる。
いや、火というより外見はレーザーだ。
とにかく僕たちは箒に跨って中に浮いている。あの崖を飛んでいる。

小さくなっていく甲冑の姿を見届け、ふと前を向く。
多量の瞳が浮いていた。
そこで、この物語についての記憶は終わる。


―――――。


白い空間


女「お目覚めですか」

男「……お母さん?」

女「貴方の幼馴染は、この晩の記憶を全て失う。でも、貴方は別」

男「え?」

女「私の名前を忘れないで、私は、貴方を監視している」

男「母の名は……」

――。



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