77: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/05/25(日) 13:31:41.09 ID:d+YVnMr1o
#3#
「さて。
アイドルになった理由のひとつは、「女性に好かれたいから」です。
視線が集中すればおのずと価値が認められる、男も女も、価値あるものに興味を見出す。
価値があれば、人気を得るチャンスが増える」
死神「お前さんは有名になりたかった」
男「有名になったんです」
死神「だが価値を高めることには1つ弊害があった。そうだろう」
男「ええ……」
「私に近づいてくる女性が皆、金の亡者か何かに見えたのです。
当然です。私ではなく、私のもたらす経済効果を見て女性が近づくのです。
その点で言えば、私に近づいてくる女性は、皆、サービスの見返りを求めるレストランと同等です。
……確かに、対価を払わずに女性を抱こうなど傲慢なる企みですが。
ですが私は、私の『将来性』を対価に色欲を満たす気がなかった」
死神「……お前さん、一時期は黄泉の国でも聞く名だったよ。その点、将来性は成就されたということだね」
男「私を知っているんですか? では私の罪と没落も伝え聞いたことでしょう」
死神「お前さん自身の口から聞きたい。罪っていっても、所詮は相対的な評価機構だからね。罪が事実なのか、また、お前さん自身が罪の意識を感じているのか……」
男「……私の罪について語りましょう」
曰く。私は姦淫の罪を犯しました、と。
「『将来性』を対価に色欲を満たせないということは、別の何かによって購う必要があります。
すなわち、金銭によって。
30のころから50まで、私は未成年の娘を買っていたのです。
確かに罪ではあります。ですが、その娘は、自ら望んで援助を求めて来ました。
……当時の私は、これが将来性を潰しうる選択だとは思っていませんでした。
芸能界は歪んだ権力闘争の場です。
メディアとも、ヤクザともつながりがあるので……女子高生と寝るくらいのことは、簡単に揉み消してくれるのです」
死神「なぜ未成年の娘を抱きたかったんだい? 例えば私のような、外見的に20代後半のように見える女は?」
男「私が未成年の娘を抱きたがるのは、単純に、打算性の有無です」
死神「打算」
男「そのくらいの年齢になってまいりますと、当然、結婚が視野に入ってきます」
「あくまで私が求めているのは色欲。セックスで人生設計を語りたくないのです。
あくまでハリのいい体を抱きたいのであり、私以外の誰かを養うなど、終生考えることなどありませんでした。
当然、避妊具は欠かせません。『このことは2人だけの秘密にしよう』などと歯の浮くような言葉を並べ、口止めも怠らず」
死神「随分自分勝手なセックスだね。アタイには20人の曾孫がいるけれど、皆、子を作る気がなければセックスはしない」
男「生殖機能を利用した商取引……利己主義こそ人間の本質です。貴方も死神をやっていて、よく理解しているでしょう」
死神「半分正解だね。人間っていうのは半分真っ白で、半分真っ黒なのさ。石器時代からこの国を眺めて出した結論だよ」
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