過去ログ - P「マクベス?」春香「はいっ!」
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50: ◆.5i.QHgS2U[saga]
2014/05/06(火) 10:30:43.30 ID:JoMZq3Op0




 春香「――ああ! 刃にも、持ち手にも血がべっとりと、
    
    さっきまでこんなのついてなかったのに! こんなもの、あるわけがない、
    
    血なまぐさいたくらみが形になって目に映るだけなんだ。
    

    いま、世界の半分では自然も死んだように眠ってる、
    
    邪悪な夢がその静かな眠りのなかをかき乱している。
    
    魔女たちは蒼白いヘカティにいけにえを捧げ、
    
    やせこけた人殺しが見張り役の狼に起こされ、
    
    その唸り声に見送られながら殺す相手をめがけて
    
    亡霊みたいに忍び寄っている。

    
    不動の大地、わたしの足がどこに向かおうとその音を耳にしないで。
    
    そうじゃなきゃおまえの小石までがわたしの居場所を告げ口し、

    この場にふさわしい恐ろしい沈黙を破ってしまう。


    わたしがこうして脅し文句をしゃべってる間は、彼は生きている。

    言葉は冷たい息で、行動の熱を冷ましてしまうんだ」



鐘が鳴る。



 春香「さあ、行くよ、それでけりがつく、鐘の音がわたしを呼んでる。

    ダンカン王、聞いちゃだめですよ―― あれはあなたを招く弔いの鐘。

    行く先は天国か、それとも地獄か」



マクベス退場。




【第二幕 第一場:終】




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