過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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105: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/06/07(土) 22:21:23.61 ID:7eE3JAEj0

ちゃぷん。

いつだったか、トールと浸かった日本の温泉を思い出しながら。
バスタブに珍しく張った湯に浸かり、フィアンマはうとうととしていた。
昼過ぎに買い出しに行こう、と誘われたのだ。
再会した時、十三歳の少年は、気がつけば二十三歳の美青年になっていた。

「……もう、十年も前になるのか」

あんなにも好きだった彼のこと。
忘れる為に、戦災復興のボランティアに精を出していた。
世界が活気を取り戻し始めたのは、つい最近のことだ。
未だ起こっている内紛を除いて平和過ぎる世界は、今日も粛々と時を進める。
十年経ったって、あの恋は忘れられない。忘れることが良いとも思わない。

「………いかんな」

風呂で眠ってしまっては、そのまま死ぬ恐れがある。

慌てて浴槽から出、タオルで体と髪を拭く。

「あがりましたー?」
「ああ。少し待て、準備をする」

のそのそと着替え、髪を乾かし、鏡を見ながら髪型を指先で整える。
ヴェントは本日、教会に行っている。じきに戻るだろう。

「それじゃあ、行きましょう」
「そうだな」



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