過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/06/07(土) 22:25:30.93 ID:7eE3JAEj0
ベンチに腰掛ける女性は、相も変わらずの美しさだった。
暑いのか、ぼーっとした様子で座っている。
やがて彼女は何かを見、不可解そうな表情を浮かべた。
恐らく、ウートガルザロキがドタキャン連絡でもしたのだろう。
「………、」
彼女の左手薬指には、指輪がある。
細身のシルバーリング。
小さなストロベリークォーツで彩られた、美しいダイヤモンド。
ブリリアントカットと呼ばれる技法で造られたダイヤは、太陽光で輝いている。
婚約指輪か。
思って、それを見ても尚、彼は"思い出す事"は"出来なかった"。
出来なかったし、尻込みした。ああ、フラれてしまうだろうと。
『たとえ、過去の自分から奪ってでも』
背中を突き飛ばされた気がした。
いつかの未来、いつしかの過去、『自ら』が口にした暴論。
無意識にそれを受け入れ、トールは公園に足を踏み入れる。
「……、……」
「………」
彼女が、こちらを見た。
琥珀色の瞳を瞬かせ、見上げてくる。
噴水公園のベンチ。
赤い薔薇三本、白い薔薇七本の花束。
十年を経て再現されたそれは、トールが婚約指輪を彼女に贈った日の風景と同様だった。
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