過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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40: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/18(日) 23:36:58.33 ID:xF520frv0

「全ての選択権は私にあった。貴様が気負うことではないのである」
「だが、」
「それに加え」

ぐしゃ、と一度だけ乱暴に撫でられ、手を引かれる。
彼の声音は、珍しく狼狽しているように感じられた。
自分の謝罪があまりにも意外だったから、だろうか。
背後で、トールが警戒していることを感じ取る。

「そもそも私の記憶は、既に取り戻されている」
「……………。…………え?」
「ロシア雪原。私は一度死の淵を彷徨った。
 幾ら貴様といえど、記憶消去術の専門家ではあるまい。
 死の淵に立った時、自然と偽りの記憶の上から正しい歴史が加えられた。
 無論、貴様に関する事全て。その後ろの少年との戦闘に関する仔細たる情報も、である」
「………」
「ヴェントに関しては確認してはいないが、彼女も死の淵に立った身である。
 私と同じ術式を同じ度合いでかけたのであれば、恐らく解けていることであろう。
 彼女の性格から鑑みると、貴様に何度か連絡を試みているように思うが、連絡はなかったのであるか」
「……………お」
「……」
「…………俺様のシリアスな回想と反省は…?」
「知らぬ事情であるな。貴様の問題であろう」

やれやれ、と呆れた顔をされる。
泣きそうな、笑ってしまいそうな曖昧な表情で、フィアンマはアックアの腕をぺちりと叩いた。

「何だ………、…俺様の計画は、抜けばかりだったのか…」
「その様である」
「………なあ、解決したのか?」
「……自分が思っていたよりも無能で、失望したと同時に嬉しく思うよ。…ありがとう、トール」



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