過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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48: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/28(水) 22:07:54.64 ID:lMiot1GF0

ヴェントも、思い出しているのかもしれない。

アックアの推測に、フィアンマはほんの少し、救われる。
勿論、彼らの記憶を一度殺した罪は大きい。
そんなことをしなければ、死ななかった人間が多く居たはずだ。
許しを請うたところで、自分が楽になるだけで。

「少年」
「あん?」

さり際。
どこか優しい光を湛えた男に呼び止められ、トールは振り返る。
フィアンマには聞こえなかったようで、彼女の歩みは止まらない。

「あの子を、頼むのである」
「……言われるまでもねえさ」

トールには、フィアンマが記憶を消す前に過ごした右席達との思い出などわからない。
そして、わからないからこそ、素晴らしいと思っている。
自分の交わっていない幸せがなければ、彼女は自分を喪ったときに崩壊してしまうだろうから。
その点に関して言えば、彼女以外の人との関わりに幸福を見出したことない自分には欠陥がある。
だからこそ彼女を喪うことを異常に恐れ、とある可能性では世界を滅ぼした。

「…何とかしねえとな」

ペットでも飼うか、とぼんやり思う。
彼女も自分も、もう追われてはいないから。


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