過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/06/02(月) 22:32:10.51 ID:Av34Uu/40
「………恐らく」
「……調べは、ついたのか」
「予測も含まれるが、ほとんど現実だと思ってくれて構わない。
彼の記憶が、彼の脳と精神を同時に圧迫している」
「…な、に?」
「通常であれば有り得ない。彼は絶対記憶能力者ではないし、何より百年程度の記憶では脳はおかしくならない。
ただ、……彼の場合は、百年程度では済まない記憶があるんだろう? 加えて、『汚染』を何度も受けている」
「………、…」
魔術を究めるということは、脳に負担をかける。
魔神を目指して死に逝った魔術師の、何と数多きことか。
「二万年、…を超える」
「フロイライン=クロイトゥーネのように特殊な体質であれば、まだどうにかなったかもしれない。
或いは、禁書目録のように何度も精神を調整していれば。彼はそのいずれにも当てはまらない。
君やオティヌス、かつての私のように、『異法則』で脳を書き換える術も持っていない」
異常な耐性を得るにしても、その基盤が彼の生い立ちには無かった。
自由にやってきた魔術師だからこそツケの回ってきた、デメリット。
「だが、……だからといって、全ての記憶を消すのか?」
記憶を消す。
フィアンマにとっては、最もやりたくないことだ。
アックアが自分を覚えていたということで、泣きたくなる程嬉しかったのに。
泣きたくなるくらい後悔したことを、またしようというのか。
「それが一番確実だろうけど、そこまで徹底する必要はないだろう。
彼の脳や精神を圧迫しているのは『二万年』の記憶と、そこから学んだ魔術の知識だ。
その二つを消すことが出来れば、彼の記憶はほぼそのままに、保護をかけることが出来る」
「その記憶を消さなければ、……脳の保護は、出来ない、か」
「時間がない。……もって、三日だろう。もし、タイムリミットを過ぎてしまえば」
「………しまえ、ば?」
喉が渇く。
嫌な汗が、背中を伝った。
「彼は発狂する。脳自体は耐え切れても、神経の幾つかは焼き切れる」
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