過去ログ - トール「フィアンマ、か。……タイプの美人だ」
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93: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/06/04(水) 22:51:13.72 ID:mifjCt1j0

少女が去っていった病室で。
トールは独り、窓の外を眺めていた。
雨が降りだしている。彼女は濡れずに行けただろうか。
彼女の安堵出来る場所は、自分のところしかないと思っていた。

けれども。

『馬鹿馬鹿しい。…俺様は、もうひとりでもだいじょうぶ、』

泣いて、しかし泣きながら、大丈夫だと、彼女は言っていた。
元より、彼女は一クセあるだけで、好かれやすい性格だと思う。
自分が居なくても、それなりにやってはいけるだろう。

「………実行者は、あんたなんだな」
「………適任だと思うだろう?」
「そうだな。………なあ」
「うん?」
「フィアンマのこと、……たまに、見てやってくれ」

自分は彼女を忘れて、きっと思い出す事は出来ない。
だから、とトールはオッレルスへそう頼んだ。
青年は小さく笑って、一度だけ頷き。

「似ているね。頼むことも、言い方も。……夫婦は似るというが、恋人でも同じようなものか」

出来ることなら、二人を祝福する立場に立ちたかった。
そんな台詞を残し、オッレルスはトールを眠らせる。


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