過去ログ - 阿良々木暦「ひびきマーメイ」
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/07(水) 20:33:06.07 ID:EqIdRmm40

「よいしょっと」

「ぎゃああああああぁぁぁ!!」

あろうことか吊っている左腕の根元を揉んできた。

「痛い! そこ違うって響ちゃん!」

「情けない声あげるなよにーにー、男の子だろー?」

「男でも痛いもんは痛いって!」

「かゆいとこないかお客様ー?」

「痛い痛い痛い痛い! 痛いところしかない!」

我那覇と少し仲良くなり、じゃれ合い嬉しく思いながらも僕は一つの決心を心に固めていた。

皮肉ながらも、命の恩人の生き様が、その在り方が、この歳になってようやく理解出来たような気がして。

怪異の専門家、忍野メメ。

彼は怪談、奇談、巷説の類を集める為に全国を回っている――と言っていたが、本意は別にあったのではないだろうか。
友達も家族も作らず、住居も構えないその根無し草な生活は、忍野に限ったことではない。
貝木も影縫さんもそうだ。
彼等には帰るべき場所がない。
それがどういうことなのか、一陣の不安と共に今回の件で僕は確信してしまった。

僕は近い内に、彼等と同じ運命を辿ることになるのかも知れなかったのだ。



ひびきマーメイ END



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