過去ログ - 私にはだれにも言えない秘密があります。
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2: ◆XTaiiNXKpw[sage saga]
2014/05/08(木) 01:07:29.56 ID:5ztHGExv0
 少年には正しいか誤っているのか、完全に見極める能力があった。この能力を手に入れたのは大学に入って間もないことだった。国公立の芸大に入学した数ヶ月後のこと。

 YesかNoかで答えることのできる問いに対しては100%答えがわかってしまう。これだけなら便利な道具程度にしか思わないだろうが、これはそういう浅さのものではなかった。人格、道徳。人ですら誤っているか正しいかわかるのだ。
 ぼんやりとその人にかかる靄の色で判別できてしまう。これに気づいたのは少年が能力を手に入れて三日後のこと。ニュースで殺人者の顔を見た時、黒い靄がかかったのが原因である。

 その後はこの能力がどういうものなのか、気づくのには大して時間はかからなかった。これが神様か悪魔か……とにかく自分には理解できるレベルをどうしようもなく超えているということだけは理解していた少年にとって、それが正しいかどうかわかってしまうことはとても苦痛だった。

 これで少年が気づいたことは、いくつかある。まず神様だかなんだか、とにかく正しいかどうかを判別しているなにかは、人に失望し始めているということ。人に害を与える人、極端にいうと犯罪者。こういったタイプの人間はあまり黒い靄がかからない。それは「力を抑えるべき人類に攻撃を行うことは必要なことだ」ということ。
 だけど、殺人者にはその事件当時には必ず靄がかかっている。これは「俺の創った人間を人間が殺すなど、どういうことだ」ということなのだろうか。


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