1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/09(金) 03:00:53.93 ID:xR3CJ1wJ0
雲間から差し込んだ月明りが、暗闇を切り裂いた。
地上から十数メートルの高さで、紫色の輝きが瞬く。満月の月明かりを反射して
紫に輝くそれは、ゆっくりと地上に向かって降りてくる
風に舞う紙切れのような不規則な落下は、真新しいビルの屋上で止まった。
「・・・」
彼女は声を出さずフェンスの上からただビルの隙間を注意深く見る、こういった場所に現れるのを
経験から知っている
ギィっと扉が開くおとが聞こえ
静寂に包まれていた屋上にぐぐもった声が聞こえてきた、ゆっくりとこちらに近ずいてくるのが分かる
懐中電灯の明かりが、何かを探すようにゆれている
「誰か、いるのか?」
フェンスの上に何かいるのをきずいたのだろう緊張した声が聞こえる
懐中電灯を私に向けその姿を映す
「ひっ!」
亡霊でも見たかの様に驚いた声を上げ懐中電灯を落とし、あわてて拾おうとする
「だ、誰だ!」
再び懐中電灯を向ければ誰もいなかった
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/09(金) 03:01:38.31 ID:xR3CJ1wJ0
別になんのトリックも使ってない、懐中電灯を落としたすきにただ飛び降りただけだ
地上に落下しながら、このまま地面にぶつかってしまおうか、とそんなことを考える
このまま落ちてしまうの悪くない、自分の命も、希望さえも
誰にも知られず跡形もなくなってしまえる、どうせ私を覚えていてくれる人間なんて
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