過去ログ - エルフ「譚奇フルエ、代時正大…?」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/11(日) 10:34:43.09 ID:HKp1oIVR0
芋はたちまち油の中で香ばしい匂いをあげて、泡を立ててイビツに折れ曲がり、
やがてキツネ色に揚がっていった。
それを焦げる前に、長い箸でヒョイとつまみ上げ、平皿の上に並べた。
後はかまどのすみを彼女がちょいと蹴ると火はたちまち消えてしまった。
エルフ「あとはこいつに塩を振って出来上がり、どうだ?美味そうだろう」
皿に並んだそれは、今で言ういわゆる"ポテトチップス"であった
男「…む、確かにそうだが、まあまだ食べて見ないことにはな」
ハイカラ文化に否定的だった男としては、ばつが悪いのでそう手放しに褒めることはなかった。
エルフ「じゃな、まあいい、物は試しに食ってみてくれ、熱いから気をつけてな」
男「…じゃあ」
恐る恐るといった感じで、つまみ上げて見たものの、
まあ元は油と芋なのでそう悪い食い物でもないと思い、男は一思いのそれを口に放り込んだ。
男「…んっ」
エルフ「どうだろう、美味いか?」
噛んだ瞬間、それはもうハイカラとしか言えなかった。
煎餅に似ているが、それよりも数段ジューシーで、
それでいてずっと薄いものだから、噛み砕いた時の快感がなんとも言えず、
その破片すべてから旨味が染み出してきて、
まあつまりは、ハイカラな味だった。
男「う、美味いな」
そう言うのが精一杯だった。
エルフ「そうか、いや自信が無かったから心配だったが、杞憂だったな」
男「これはなんだ?お前のいた欧州の食べ物なのか?」
エルフ「んん、まあ元はな。それをメリケンのコックがアレンジしたのがその料理なのだが」
男「料理というよりは、駄菓子といった感じだが…」
気がつけば、男は次々にその芋を摘まんでは口へ運んでいった。
不思議なもので、男はまるきり食えば食うほど腹の空く気がした。
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