251: ◆TRhdaykzHI[saga]
2014/05/30(金) 22:14:29.96 ID:LLwP8/i3o
勇者「ああ……そいつ本当に濡れ衣だぞ。俺向こうで見たんだ。
こいつは足をくじいたサキュバスに手を差し伸べただけ」
妖使い「勇者見てたのか。ならもっと早く助けてほしかったんだけど」
魔王「手を差し伸べただと? それは幻覚ではないのか勇者くん」
魔王「この外道がそんなことをするとは思えないのだが」
妖使い「うーん信用ゼロ!」
勇者「いや本当だって。その前にエルフとヴァンパイアにぶつかった時は
普通に落ちた本拾ってやってたし」
魔王「うそだ。この男は隙あらば魔族を契約させて使い魔にしようとしているのだぞ。
5分に1回は契約を迫ってくるのだから私はそろそろ血管が切れそうだ」
魔王「エルフもヴァンパイアもサキュバスも毒牙にかけようとしていたのだろう」
魔王「今日こそ何らかの制裁措置を取らねば……」
妖使い「俺の命の灯が今まさに消えようとしている!」
勇者「だ、だからちょっとやめろって」スパ
妖使い「おお感謝するよ勇者。じゃあトンズラするかね!
今度来た時には絶対君を使い魔にしてみせる!さらば!」
勇者「お前もいちいちそういうこと言うから誤解されるんだよ!」
魔王「……何をする。逃げられてしまったではないか」
勇者「あいつも素直じゃないだけでそんな悪い奴じゃないんじゃないか?」
勇者「今日の様子を見る限り……さ」
勇者「ま、イライラするのは分かるけど……そうカッカする必要はないんじゃないか」
魔王「…………そうやって油断して、本当にこの国の魔族の誰かがあいつのものになってしまったら取り返しがつかない」
魔王「私は魔族を守らないといけないのだから」
勇者「……気持ちは分かるけど、ちょっと気にし過ぎじゃないのか?」
魔王「……」
魔王「……」
魔王「妖使いの肩を持つのか」
魔王「私は……ただ」
勇者「肩を持つとか、そういうんじゃない。でも、」
魔王「……君は人間だから、そんなことが言えるんだ」
魔王「気持ちは分かるなんて嘘だ……っ」
魔王「人間として育った勇者くんには分かるわけない」
勇者「な……なんだよそれ。なんでそんなこと言うんだよ」
魔王「……」
魔王「ごめん。人の気持ちや考えなど、本当のところ自分以外の誰かに分かるはずないのに。
そんなの当たり前のことだな。私だって君の気持ちを全て理解することなどできない」
魔王「全て分かってくれというのは高望みだな。子どもみたいなことを言ってしまった」
魔王「忘れてくれ」
勇者「違う、俺が言ってんのはそういうことじゃない!俺は……!」
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