33:>>1[sage saga]
2014/05/12(月) 01:45:47.17 ID:OdPNeNiJ0
――見覚えのある、世界だった
青い森の中、綺麗な日差しが差し込んでいる
そこに、少年姿の……いや、幼児といって差し支えない年齢のフリット・アスノが立っていた
そこにいたのは、7歳のフリットだった
「ここはどこだろう?」
「なんだか、知ってる場所な気がする」
そんな彼を待つように、一人の女性が優しく彼を見つめていた
「……!」
「お母さん!」
彼は、迷わず駆け出した
「母さん!」
フリットは14歳のフリットになっていた
フリットは母親を力一杯抱き締めた。最後に手を握った時より、強く強く抱き締めていた
「……久し振り、フリット」
母 マリナが優しく語りかけた
「大きくなったわね……」
青年のフリットが母に優しく抱き締められながら立っていた
「……うん」
「長い間、待たせてゴメン」
フリットは壮年になっていた。だが、涙を浮かべた目だけは少年のような瞳のままだった
「いいえ、そんなことない。こんなにしわくちゃになるまで皆のために頑張って……」
老人になったフリットの頬に、マリナが優しく手を当てて、微笑みながら答えた
「……母さんは、お前を誇りに思うわ」
「ありがとう」
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