過去ログ - 咲「今日のお薦めはこちらですか?」ハギヨシ「はい、この本です」
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2014/05/12(月) 19:20:10.64 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシは静かに席を立ち、今だに流れについていけない困惑顔の咲を一度見つめ、
そうして意を決したように踵を返し本棚の向こうへと消えていった。
以下略
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2014/05/12(月) 19:26:55.58 ID:uzFCl8vE0
そうして。
ぱさ、と指先に触れたのは、二つ折りにされた、薄い白紙だった。
咲「え……?」
以下略
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2014/05/12(月) 19:30:13.58 ID:uzFCl8vE0
それでも、真実だった。
短く綴られた言葉に込められたその気持ちは紛れも無く真実だった。
視覚情報の処理が追いついて、ぶわりと全身が粟立った。
以下略
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2014/05/12(月) 19:36:19.44 ID:uzFCl8vE0
最奥へ向けて、咲は歩き出す。
期待と困惑と切望とで心臓が暴れるせいで呼吸が乱れる。
以下略
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2014/05/12(月) 19:39:47.70 ID:uzFCl8vE0
書かれた文字。短い言葉。
愛の告白のような、
あいのこくはく、のような、
以下略
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2014/05/12(月) 19:42:59.92 ID:uzFCl8vE0
咲「萩原さん!」
本棚の一つの縁に手を掛けて、こちらを待っていたような様子で佇んでいた彼を、見つけた。
ハギヨシ「…宮永さん」
以下略
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2014/05/12(月) 19:46:59.43 ID:uzFCl8vE0
咲「萩原、さん」
ハギヨシ「はい」
薄暗さの中に溶け込むようにして、本棚の前に立っている彼の表情はよく見えない。
以下略
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2014/05/12(月) 19:49:34.01 ID:uzFCl8vE0
多分、声は既に水張っているのだろう。
視界は滲みきって、もう彼が立っている場所すらぼんやりとしか捉えられない。
徐々に顔を俯けてしまうのは、どうしても自信が持てないからだ。
以下略
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2014/05/12(月) 19:53:54.81 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシ「宮永さん…」
咲「お願いです…肯定か否定かだけを、教えてくれませんか」
ぎゅうと目を瞑ればそれだけで縁に貯まったものがこぼれそうで、
以下略
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2014/05/12(月) 19:57:20.91 ID:nzhWEbbv0
淡いなぁ……
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2014/05/12(月) 19:59:32.90 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシ「…宮永さん」
落ち着かせるように、ハギヨシの手が咲の背を優しく撫でる。
ハギヨシ「顔を上げてください」
以下略
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