26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/12(月) 21:04:05.93 ID:WmSvF+Wh0
「隠神御前。いぬがみごぜんだ。
読みこそ犬だが、狸の怪異だよ。隠れ神、居ぬ神、すなわちいない神と書く。
かの有名な玉藻御前から派生した怪異だ、阿良々木くんも玉藻御前くらい知っているだろう?」
「玉藻御前って……妖怪の?」
玉藻御前。日本ではわりかしメジャーな妖怪で、なんでも絶世の美女で男を骨抜きにし、駄目にするとか。
かつて中国にあった殷国も彼女の手によって滅ぼされた、なんて逸話もある。
「隠神御前は言わば男の嫉妬が寄り集まって出来た怪異。隠神御前に魅入られた女性は――」
「…………」
僕は息を飲んだ。
一体、どんな恐ろしい影響があると言うのだろう。
「心が腐る」
「ぴよ!?」
「……は?」
「言葉通りだよ、隠神御前は取り憑いた女性の嗜好に男性同士の恋愛を強制的に植え付ける。想いに応えてくれない女性なんて堕ちてしまえ、という男の醜い逆恨みさ」
「そ、そんな……じゃあ私は……」
そういう事だったのか。あの美人でよく気のつく音無さんが何故恋人も作らずに神原のように男同士の恋愛に傾倒しているのか。
露呈してしまえば何という事はない。
音無さんは、怪異に行き遭っていたのだ。
「くだらない怪異に思えるかも知れないけれど、これは由々しき事態だ。なんせ人類の繁栄を阻害する。それに何より、この怪異の恐ろしいところは……」
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