4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/12(月) 20:33:16.71 ID:WmSvF+Wh0
001
この物語を語る前に、僕の恋愛観について少し語ろうと思う。
恋愛。
響きだけでくすぐったく甘い感触を感じるのは僕だけだろうか。
遠い昔では恋愛すらままならなかったと聞くのだから、自由に恋愛を許される時代に産まれたことをまずは感謝すべきだろう。
陳腐な言葉で表現することになるのを先に謝罪しておくが、誰かを好きになれるということはとても素晴らしいことだと僕は思う。
他人への思いやり、肉親の絆、それとはまた違う人間の感情。
僕もまた、高校三年生にして最初で最後の恋人が出来た。
あれは夜道で暴漢に襲われるが如くの突然の告白だったが、今となってはいい思い出だ。
あの日があったからこそ今日の僕とひたぎがあるのであって、無かったら今頃どうなっているかなんて想像すら出来ない。
それ程に、人が誰かを好きになるという感情は強い。
それは時に人ひとりの人生を丸ごと変えるほどに。
情なしに人は存在出来ない。
一切の感情を持たない人間などこの世には存在しない。断言しよう。
誰だって相手が誰であろうと、好ましいと思うことくらいは一度はある筈だ。
だが、人間の感情は複雑だ。
複雑が故に、時折間違いも犯すだろう。
いや、間違いというのは誤りだ。訂正しよう。
神原のような同性愛者のことを形容しようとしたのだが、彼等は間違っている訳ではない。
よく同性愛を非難する人の定型句に、『生物学的に間違っている』というものを聞くが、この人口氾濫の時代において人口を少しでも減らそうと恋愛の舵を違う方向に向ける者がいてもそれは生物的におかしくないのでは、と思うのだ。
誤解しないで欲しいのは、僕は同性愛を否定している訳でも、槍玉に上げて批判しようという訳でもない。
感情の形なんて十人十色だ。
かと言って理解出来る、と言える程に人生経験を積んだ自信もない以上は偉そうなことを宣う権利などないかも知れないが、それでも言わせて欲しいことがある。
変わった嗜好や趣味、人生観や恋愛観を持つのは一向に構わない。
述懐した通り、そんなものは個人の自由だ。個人の内で完結するのであれば、どんなドン引きするような性癖だろうが勝手にすればいい。
だが――人を巻き込まないでくれ、というのが僕の素直な思いだ。
つまり、感情は個人のものであり、人に押し付けるものではないのだ。
押し付けた瞬間に、それは恋愛とは呼べなくなる。
只の傲慢だ。
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