過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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4: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/12(月) 23:33:35.63 ID:A0cQK16M0

その日は、雪が降っていた。
吐く息までもが凍ってしまいそうな夜だった。
コートの前をしっかりと閉めて、外に出る。

おつかいは既に終わっていた。

ちょっとした家出のようなものだ。
娼館にさえいなければ、叩き起されることはない。
どうせ眠らせてもらえないのなら、外にいても同じ。
人の行き交わない廃屋街は、とても心地の良い場所だった。

『はー……?』

息で手袋をはめた手を温める。
ふと、視界に入った何かに気を取られた。

建物の窓近く、誰かが居る。

こんな廃墟ばかりの場所に。
幽霊か何かだろうか、とふと不安になる。
不安になるのに、好奇心が勝って、そちらの方へ歩いて行った。


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