過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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42: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/18(日) 17:48:05.63 ID:ff+0krFR0

やはり、彼とは別離するべきだ。

窓に映る自らを見つめ、自問自答を繰り返し。
その果てに導き出したフィアンマの答えは、それだった。
普段は放置に近い状態とはいえ、自分はローマ正教の道具で。
『聖霊十式』を個人が持ち出したとしたら、宗教社会単位の問題になる。
ローマ正教以外の、個人単位の魔術結社とて、その情報は無視出来ない。

自分が単純に逃げるのならまだいい。

ただ、彼を巻き込む訳にはいかない。
もう会えなくなる、と彼は言った。
彼と会えなくなることは辛くて、寂しくて、苦しい。
それを我慢することで彼の身の安全が保障されるのなら、そちらの方が良い気がする。
自分が我慢すれば、彼は何処かの街で暮らしていける。
自分のことを忘れてくれれば、『魔術』に関わることもない。
何一つ波乱のない、幸せな毎日を送れる。そこに、自分は必要ない。

『…………だ』

窓に手をつけたまま、ずるずるとしゃがみこむ。

『……嫌だ』

ウートに嫌われるのも。
彼を危険に晒すのも。
もう二度と会えなくなるのも。

二者択一だと理解してはいるが、感情だけはどうにもならない。
こんな、理屈のりの字もないわがままが叶う訳がない。


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