過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/05/18(日) 17:50:38.82 ID:ff+0krFR0
二歩、下がった。
笑みを浮かべることに限界を感じ、俯いた。
『毎日毎日飽きもせずにここへ来て。
そろそろ辟易していた頃でもあったんだ』
何も聞こえない。
自分で言っている言葉に自分で傷ついて、泣きそうになる。
誰かを騙したことなんてなかった。こんなことは初めてだ。
『よもや、先の発言を本気にしていたのか。
ずっと一緒に? 馬鹿馬鹿しい。冗談だよ』
軽蔑すればいい。
出会うのではなかったと、後悔してしまえばいい。
お互いの為にも、その方が良い。
それが最善で、あるべき状態だ。
足音はない。
顔を上げていないのでわからないが、もう立ち去ったのか。
当然だろう。こんな醜い姿を見せられ、罵られれば気分が悪い。
これで、さよならだ。
また、一人ぼっちに戻るだけ。
そう思うと、一気に緊張が解ける。
手が震え、寒さが身に沁みる。
『………行かないで。……嫌いじゃないと、…言ってくれ。
俺様のことを、醜くなんて思わないと。…ウート、……。
ひとりにしないで、……きらわないで、…きらわないで、きらわないで……』
目元を、手の甲で拭う。
でも、これで良かったのだ。
これで――――――
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