過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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55: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/19(月) 22:18:48.75 ID:ugUQKgae0


灰を詰めた袋にリボンを通し、下げて腰に結び。
ぐしぐしと、先程泣きかけた目元を擦って、彼女は彼の手を握った。
十一年の間に、随分と彼は成長したように思う。
館に引きこもり、原典を読んでは壊していただけの自分とは違って。
身長にも差がついている。手も、大きく感じた。

「……ウート」
「ん?」
「……俺様がローマ正教の財産だとしたらどうする?
 原典の知識を多数保有する、特殊な人材だとしたら」
「やばいな。必死で逃げなきゃダメになる」

マジなの? と首を傾げられる。
ガチなの、と頷いた。

だからといって、彼の歩く速度は変わらなかった。
手を握る力も、変わらないままだった。

「世界を敵に回すって、何か主人公みたいだよね」

かっこいい、と茶化して笑い、彼は前を向く。
時折彼女の歩調を確認しながら。

「……それで、何処まで逃げるつもりなんだ?」
「んんー」



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