過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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57: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/05/19(月) 22:20:38.67 ID:ugUQKgae0

「っあ、」

ひょい、と子猫にでもするように抱き上げられた。
苦笑いと共に、叱責めいた声音で言葉をかけられる。

「嘘とか誤魔化しとかわかるから。……脚痛い?」
「……一歩歩く度に引き攣るような痛みがある」
「冷えもあんのかな…?」

長い靴下や長靴は着用しているが、所詮、ワンピース一枚。
寒さには慣れているが、思っているよりも体力を奪われているのかもしれない。

「体温低いね。平熱低い?」
「……あまり測ったことがない。外に出なければ、風邪は引かないしな」
「ん、そっかそっか」

邪気の無い笑みと共に、彼は上着を脱いだ。
寒くないのか、と声をかけようとした彼女の肩を、人肌に温まった男物の上着が包む。

「………ぶかぶか…ではない、かな?」
「………もう少し俺の体格が良かったら格好ついたんだけどね」
「貶した訳では…」
「気にしなくていいよ。自分の服のサイズ位わかってるから」

彼の笑みは優しい。
良い匂いのする上着を軽く握り、フィアンマはこくんと頷いた。

「もう少し行けば街を出られる。
 そしたら列車に乗ろう。船でもいいか。乗ったことある?」
「無いな」
「俺もない。船酔いとかしなきゃいいけど、どうかな…」

軽口を叩いて雰囲気を和ませながら、彼はフィアンマを抱きかかえたまま歩く。

「……背負った方が、辛くないと思うのだがね」
「それはそうなんだけど、スカート捲れちゃうから」
「…………、う」



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