12: ◆rNqPl/b1mU[saga]
2014/05/15(木) 12:13:36.84 ID:+rKCT8SK0
ほむら「きゃああッ!」
焼けただれた脚部のスラスターがその機能を失い、機動力の欠片も無い機体が重力に引っ張られて落下していく。
その様子を、まどかは炎の中から見守っていた。
まどか「ひどい……!」
キュゥべえ「仕方ないよ。どう考えたって、単機では無理がある相手だ。彼女も覚悟の上だろう」
まどか「そんな……あんまりだよ! こんなのってないよ!」
《デルタプラス》に取り付けられた集音マイクから音声を聞き取り、ほむらは思わず叫んだ。
ほむら「まどか! そいつの言葉に耳を貸しちゃ駄目!」
ほむらの肉声はスピーカーを通して外界にも伝わるはずだが、『ワルプルギスの夜』の咆哮と怒涛の攻撃に掻き消され、まどかの耳に届くことはない。
キュゥべえ「諦めたら、それまでだ。でも、君なら運命を変えられる」
まどか「……本当なの?」
キュゥべえ「避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい。それだけの力が、君には備わってはいるんだから」
モニター越しに見えるまどかに気を取られている間にも、墜落する機体はそのスピードを緩めることは無く、燃え盛る大地へと突っ込んでいく。
ほむら「騙されないで! そいつの思う壺よ!」
使い魔による集中砲火を浴び、機体のあちこちが削り取られ、コックピットから発する放電熱に頬を傷つけられて血を流す。
それでも、ほむらは必死に叫び続けていた。
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