過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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10: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:01:57.93 ID:sWnNovzn0

 わかります。こういう、困っている人を見過ごせないおせっかいな人はどこにだっているものです。

 僧侶と言う職業上、わたしだってよく施しを行いますが、ここまで見境なしじゃあありません。ありがたくはあるのですが、余計に事態を混乱させているだけのような気もします。

傭兵「俺が勝ったらあんたは何してくれるんだ」

騎士「この銀貨をあげよう」

 騎士さんの手の中で鈍く光る銀貨。一本の剣と、天使の両翼が刻印されています。
 ……わたしの記憶が間違ってなければ、これ、王家の紋章じゃないですか?

 周囲の人間はみんな凍り付いています。この銀貨を持っているということは、分家筋、もしくは直下の貴族に連なる超エリートなのでは?
 売っても値段のつくような代物じゃありません。いや、値段をつけられる代物ですらありません、とも言えます。

 傭兵さんは目をまんまるくしていましたが、やがて満足そうににやりと笑いました。その表情には、けれど依然驚きが残っているようにも見えます。

傭兵「……お前、バカか」

騎士「何とでも言いたまえ。要は負けなければいいんだろう?」

 容易く賭けるにはあまりに重要すぎる品物です。贋物でしょうか……いえ、王家の紋章を偽造するのはあまりにハイリスク。こんなところで見せびらかせるものではないはずです。

騎士「さぁ、外に出たまえ、傭兵くん。騎士道精神の人のなりと呼ばれた僕の実力を見せてあげようじゃないか」

 言葉を受け、傭兵さんはにんまりと笑って、唇をぺろりと舐めました。



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