過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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2: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 21:53:19.61 ID:sWnNovzn0

僧侶「ただの護衛ですよ!?」

傭兵「『ただの』とあんたが思うなら、俺以外を雇うといい。こなしてくれるだろうさ」

僧侶「それは……」

 上ずった声だと自覚しています。どすの利いた声と顔つきに委縮しているのです、わたしは。自覚はあるのです、そうです。
 でも、怖すぎます。
 懺悔に来た盗賊の方だって、もっと優しい声をしていました。

傭兵「七百万だ。それ以上はまからん」

 同じことを傭兵さんは繰り返しました。七百万。傭兵事情に疎いわたしでも、それが法外な値段だということはわかります。
 にべもない対応に唇を噛み締めます。このひと、足元を見ようとしているのでは。心を覆うのはそんな疑惑の雲。

僧侶「聞きしに勝る金の亡者ですね……」

 斡旋所のおじさんが渋っていたのはこういうことだったのですね。実力は折り紙つき、されど性格に難あり。

傭兵「金を大事にして何が悪い」

僧侶「度を弁えるべきではと申し上げているのです」

傭兵「この世で金が一番大事だ」

僧侶「違います。お金で買えないものだってあります」

傭兵「少なくとも俺の腕は金で買える。貧乏人のあんたには手が出ないかもしれないけどな」

 厭味ったらしい笑みをこちらに向けてきました。わたし、自分の眉根が寄るのを理解しました。



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