過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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23: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:16:24.25 ID:sWnNovzn0

 決して利口ではないはずだ。不器用で、鈍くさい。算盤を弾けず、融通が利かず、曲がることのできない愚かしさを内包している。
 けれど、それは同時に曲がらない強さの証左でもある。

 強かな女とは程遠い。それでいて強い女。

 俺の苦手なタイプだ。金で転ばない人間は嫌いだ。

 俺は「は」と口から漏れたのを、自分の耳で聞いて初めて知覚した。

傭兵「どうせ断れない立場さ、俺ァ」

僧侶「そうですか。それは助かります」

傭兵「それで」

僧侶「旅の途中、わたしがすることに、黙ってついてきてほしいのです」

 不穏な言葉だ。

傭兵「……どういうことだ」

僧侶「わたしは、多分、誰かを助けてしまうと思うんです」

 まるで自分の悪癖を懺悔するかのような僧侶だった。

僧侶「子供のころから路頭に迷う人たちを見てきました。苦しむ人たちを見てきました。彼らの一助になりたいのです。子供のころは非力で無力でしたけど、でも、今のわたしなら、少なくとも何かはできるはずです」

僧侶「困っている人を放ってはおけません。なんとかしてでも、どうにかしてでも、肩を貸して、手を差し出して、足を運んで、口をきいて、なんとかしてあげたいと思うんです」

 思ってしまうのです。



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