過去ログ - 春紀「暗殺はせずに大人しく生活してたのに面倒なことに巻き込まれた」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/15(木) 21:35:42.44 ID:FZXPImOlo

あたしの名前は寒河江春紀。元十年黒組の生徒だ。
先日あたしはとある事情であの学園を辞めた。というか退学になった。
そして今、思わぬ形で再び足を踏み入れようとしている。

「嬢ちゃん。俺は車回してくるから先にお客さんと落ち合ってくれないか」
「はい!」

退学になってあたしが真っ先に始めたこと、それはバイト。厳密に言うとバイトの面接、だけどな。
実際バイトを始めるまでに色々あったけど、今はこうして引っ越しの業者として段ボールやら家具やらを抱えている。
単身赴任や、新居への引っ越し、色んな現場を回った。
そして今回はまた初めてのパターン。
それは寮から実家への荷物の運搬だった。

おっちゃんから渡された伝票の名前を見て、誰に言うでもなく「なるほど」と呟いた。
こんな時期に学校の寮から出て行くと聞いて、まさかとは思っていたが…そうか。
笑いを噛み殺しながらあたしは待ち合わせ場所として指定されていた寮の玄関に向かった。

「ちーっス!わざわざ悪いっスねー!」
「いえいえ、こっちも仕事なんで。……アンタもしくじったんだな」

深々と被っていた帽子のつばを持って瞳を覗かせると、金髪の女は心底驚いたように目を見開いた。
あたしはこいつを知っている。そしてこいつもまた、あたしのことを知っている。

「えっ、春紀さん!?」
「意外だな。アンタのことだからあたしが来るのもお見通しなのかと思ってたぜ」
「いやぁー、うちも立ち会いを頼まれただけっスからね。そこまで把握してなかったっスよ」
「……?」
「言っとくっスけど、しくじったのはウチじゃないっスよ?」
「ふぅん。まぁいいさ」

あたしは手短に話を遮ると握っていた拳を鳰に目掛けて振り下ろした。
いわゆる拳骨だ。自分で言うのもなんだが、あたしのこれは相当効く。



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