過去ログ - まどか「わたしはインキュベーター
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/27(火) 23:09:31.85 ID:v3O96jUO0
まどか(インキュベーターが見せたのは、ずっと昔から存在し続けてきた、たくさんの魔法少女たち)
QB「ボクたちはね、有史以前からキミたちの文明に干渉してきた。数え切れないほど大勢の少女がインキュベーターと契約し、希望を叶え、そして絶望に身をゆだねていった」
まどか(わたしは、彼女たちの人生を垣間見た。希望を、幸せを願っても、最期には絶望的で、悲劇的な結末に終わる。そんなことが何度も、何度も。何人も、何人も……)
QB「これが、これまで数多の魔法少女たちが繰り返してきたサイクルだ」
まどか(大きな争い。平和で幸せな暮らしを望んで魔法少女になり、けれどもそれが果たされること無く死んでいった子たちもいた)
QB「中には歴史に転機をもたらし、社会を新しいステージへと導いた子もいた」
まどか「みんな、みんな信じてたの……?信じてたのに裏切られたの……?」
QB「彼女たちを裏切ったのは、ボクたちではなく、むしろ自分自身の祈りだよ。どんな希望もソレが条理にそぐわないものであるかぎり、必ず何らかの歪みを生み出すことになる。やがてソコから災厄が生まれるのは当然の摂理さ。そんな当たり前の結末を裏切りだと言うのなら、そもそも願い事なんてすること自体間違いなのさ」
まどか(間違い……)
QB「でも、愚かとは言わないよ。彼女たちの犠牲によって、人の歴史が紡がれてきたことも、また事実だし。 そうやって過去に流された全ての涙を礎にして、今の君たちの暮らしは成り立っているんだよ?それを正しく認識するなら、どうして今更たかだか数人の運命だけを特別視できるんだい?」
まどか「歪みが生まれるって分かってて、間違いだって思ってて、あなたはみんなの願いを『叶えて』きたんだね……」
QB「宇宙の寿命を伸ばすためだからね」
まどか「それで、長い間ずっとあの子達を見守りながら、あなたは何も感じなかったの?みんながどんなに辛かったか、分からなかったの?」
QB「ソレがボクたちに理解できたなら、態々こんな星まで来なくても済んだんだけどね」
まどか(こんな星……)
QB「ボクたちには基本的に感情と言うモノが無い。極めて稀な精神疾患でしか無いんだ。だからキミたち人類を発見した時は驚いたよ。全ての個体が別個に感情を持ちながら共存してる世界なんて、予想だにしていなかったからね」
まどか「もしも……あなたたちがこの星に来てなかったら……」
QB「キミたちは今でも、裸で洞穴に住んでたんじゃないかな」
まどか(そして、少なくともこんな悲しいことにはならなかった……)
まどか(でも、なんなんだろう。わたしたちって……)
まどか(どんな願い事をしても、悲劇に終わって)
まどか(わたしたちの願いも、わたしたちの積み上げてきたものも、みんなインキュベーターに吸い上げられるためのもので……)
まどか(わたしたちの大切なものって、なんだったのかな……?)
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