29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/22(日) 18:39:19.56 ID:kSjeRAO4o
……
星の声を聞くための装置、と彼は言った。
それは今、ケイの手の中にある。
夜が明けて学校。昼休み。
校庭の隅の目立たないベンチに腰かけて、ケイは途方に暮れていた。
(こんなもの押し付けられても……)
ムロイはお詫びのしるしとして装置をケイに貸すと宣言した。
「あげることはできないけどね、興味があるなら少しの間使っててもいいよ」
「え……別にいいです」
「いいっていいって、遠慮しない。また明日の晩に会おう」
そういうとムロイはさっさと立ち上がってどこかへ行ってしまった。
ライトの明かりが遠ざかって、後にはケイが残される。
遠慮じゃないんだけど、とケイは口の中だけでつぶやいた。
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