59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/08(火) 20:55:19.12 ID:HFfF56Bmo
「でも一方でぼくはスズのように独りでいても平然としていることもできない。
弱いんですよ。どうしようもなく中途半端です。
みんなとおんなじにもなれなければ完全に別のものにもなれない」
話をうまく呑み込めていない様子のムロイに、無理もないなと思いつつも怒りを覚えて続ける。
「ぼくはムロイさんやスズが羨ましい。
あなたたちのようになりたい。なりたかった!」
スズのように超然として大勢に与せずそれでいて平然としていられる強さがほしかった。
ムロイのように大勢にそっぽを向かれるような生き方をしながらもそれを気にしない無邪気さがほしかった。
だから二人が眩しく思えて、心惹かれてたまらなかったのだ。
ケイには何もないから。
ムロイは呆気にとられた顔を、次第に真剣なものに変えていた。
ケイの目を見て、手の中の装置を見下ろし、それから自らを指して口を開いた。
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