過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/06/01(日) 03:29:25.31 ID:SAoUehP80
夜が明けて、しかしまだ村は薄暗いという頃に
少女は目を覚ました。
少女が起き上がり、周りを見渡すと相変わらず誰も姿もない。
あるのは、乾ききって硬くなった猪肉の残りだけ
それ以外は寝てしまう前となんら変わるところはなかった。
エルフ「……ふん」
ただ、鼻をならして立ち上がると、
布団も敷かなかったためか、体のあちこちが痛んだ。
構わず歩き続けて、草履をはいて表に出た。
薄暗いなかでキョロキョロと見回してみると、
遠くの方で戸の開く音と
男と謝る声が聞こえてきた。
男「…本当に、すみませんでした、迷惑かけて」
村娘「い、いいえ、何度も言いますけれど、お気になさらないでください」
男がようやく気がついた時にはすでに明け方で
みれば、自分はどうやら酔って寝てしまっていたというのに
横の娘は、座ったまま眠り込んでいるという有様で
いかに自らがはた迷惑な気苦労を娘にさせてしまったか、
記憶が飛んでいても容易に想像できたのだった。
男「いや、自分なんぞ酔い潰れて道端にでも転がっておればよかったものを…」
村娘「そんな、それこそほうってはおけません!大切な村の駐在さんにそのような真似を…」
男「…ですけど」
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