過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/05/20(火) 13:52:09.88 ID:CDZmvwe00
少女はその日、手に入れた人間の文書の翻訳をしていた。
この頃になると彼女は時折、森を抜け出て人の街まで行き、
新聞の切れ端や捨てられた本なんかを拾って、その文章の翻訳に注力していた。
エルフ「……紡績、蒸気機関…ふんふん」
人間の社会はここ十年でめざましい発展を遂げていた。
このまま勢力が拡大すれば、近い将来この森も危ういな、そう彼女は考えていた。
その予見は、思わぬ形で里に脅威を及ぼすのだった。
エルフ「…っ!?」
突如として、地鳴りとともに木々のへし折れる音と地面に倒れこむ轟音が響いた。
その方角は里の方向だった。
エルフ「な、なに?」
いきなりのことだったので、彼女には事態がまるきり飲み込めず、
また、何をすべきなのかはわからなかった。
ただ、頭の中に浮かんだのは、もうずいぶん昔に見た、母の後ろ姿だけだった。
散らかるのも構わず、慌ただしく家を飛び出して、里の方に振り返る。
もうもうと、土煙が上がっているのが遠くからでも見えた。
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