過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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[saga]
2014/05/22(木) 00:03:20.08 ID:hMidbhQS0
夕日が傾き、街もそろそろ暗くなってきた頃に
野球に興じていた子供達も家路につき始め、互いに別れの挨拶を交わし始めていた。
エルフ「ふっふっふ、気が向いたら、また相手してやろう!」
少年「うっせ、じゃあまたなー!」
なんだかんだ憎まれ口を叩きながら、少女もみんなと言葉を交わして、広場を去ろうとした。
エルフ「…あれ?なんだ来てたのか、お前さんも」
男「まあな、遠くから見えたからよ、なかなか上手いじゃないか、野球」
少女が帰路を見やると、男が、彼女のコートを抱えて立っていた。
エルフ「まあな、これでも長いこと生きて、見聞は広めていたつもりだからな」
男「そうかい」
彼は手に持ったコートを彼女に渡しながら、目の前で屈んで、服についた土を払い出す。
男「その割りには、こういうところには気を使わないんだな」
エルフ「ふふん、服を気遣っていては選手として最高のパフォーマンスを発揮することはできんからな!」
男は彼女の言葉が終わらないうちに、
その金色の頭にチョップをいれた。
エルフ「いたっ!?なんでっ??」
男「こいつめ、そんな着物を汚して偉そうにする奴があるか!」
エルフ「……ぅぅ」
そう叱ったあとで、男は少し荒々しい手つきで
着物の土をはたき落とした。
その光景は、はたから見ると
まるっきり親子のやりとりのようであった。
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