過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/05/24(土) 11:54:24.08 ID:XsuQCU1l0
男「だったら何も切る必要はないんじゃないのか?なあ」
しかし、そのことを男が尋ねても、彼女は一向に答える気配はなかった。
ただ、新聞の上に広がる金髪の一本一本を撚り合せていき、やがて一つの短い紐のようなものを完成させた。
エルフ「うん、できた」
その完成品を眺めながら、少女は一人で悲しい顔をしていた。
男には、その真意が全く読めなかった。
男「いったいさっきから、それは何なんだ?」
エルフ「……これはな、エルフ族に伝わるお守り、みたいなものかな」
男「…お守り?」
エルフ「うん、こうやって髪を送るのは、すっごく特別な意味があるんだ……特に、女性にとっては…その」
男「………」
エルフ「…むぅ」
そのお守りとやらが完成したのはいいのだが、
さっきから不揃いなってしまった自分の髪を随分と気にしているようにみえる。
切ってしまった毛先に触れては、悲しそうな表情をして、
でも必死に気にしまいとして、気丈に、振舞っている。
男にはその姿が、ひどくいじらしく思えた。
男「大丈夫か?…その髪も」
エルフ「…い、いや、私のことはどうでもいい、髪なんぞほっておけばすぐに伸びてしまうのだからな」
しかし、それにはまたいったい何年かかるというのだろうか
男には、それを問うほどの勇気はなかった。
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