過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/25(日) 05:45:08.06 ID:iNj26n580

そこから長いこと逡巡したようだったが
やがて決心したように口を開いた。

エルフ「…か、感謝もかねて、だな……いい方法があると、思うのだが」


男「…?」

何事だろうと、男が彼女を見下ろしてみると

なにやらモジモジとしてじれったそうに、しきりに自分の頭を気にしているように見えた。


男「……えっと…」

エルフ「……じー」

男「…!」


すると彼の目に、金髪の中で一房、不揃いになっている部分が映った。

その切り取られた先はいま、彼の元にあって、どういうわけか彼の足を支えているのだ。

男「……」


彼女がどういう思いで髪を切ったかは、他人では決して知り得ないことである。

だが、それが並々ならぬ覚悟だったということは、男にも分かっていた。


男「………」

エルフ「っ!?」

その指先が、ゆっくりと切られた毛先に触れる。

そうしたら、金色の髪をかき分けるように指を這わせて、頭全体を撫でるように手のひらを動かした。


エルフ「…ぅぅ」

優しく、感謝と詫びの気持ちを精一杯その行為にこめた。


男「……その、ありがとうな、こんな、こんな俺のところに来てくれてさ」


エルフ「………ふん…なら…責任」

男「…ん?」


エルフ「責任、とれよ…私の髪、一房分くらいは……」

男「……ん、ああ、いくらでも」


それが終わると、足並みがズレないように二人で手をつないで
家に帰って、一緒に夕食の準備をした。

買ってきた鰯を、半分は生姜と煮て晩御飯に食べた。
残りのもう半分は塩漬けにした。




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