過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/25(日) 17:28:20.08 ID:1p5dyroe0

まさかそこにエルフの金髪少女を連れていくわけにもいかないので、彼女は留守番ということになったのだった。


二人にとっては暫くの別れになろうはずなのだが
それを憂う気持ちは、不思議とどちらにも湧き上がることはなかった。

それはひとえに、彼女が起こしたであろう一つの奇跡と

彼の懐で温もりをもたらす金の贈り物のおかげであった。



エルフ「この時期の海は、きっと寒いだろう…沖にでやれば特に酷くなるだろうな」


男「ああ、でもまあ…きっと耐えられる、なんと言ってもお前の特製だからな」

エルフ「そうかそうか、うむ」


少女は、男の懐にあったお守りを、揺れる海の上でも決して落とさぬようにと、その手首に巻いてやった。

結びはよく固くして、それ以上に解けぬようにと強く祈って。


エルフ「…これも一つ、絆というやつかな?」

男「縁起の悪いことを、それでは力を入れればほどけてしまいそうだ」


エルフ「ふふん、お前さんをほだす呪縛かもしれんぞ?」


男「そう言うか、まったく…」


そんな冗談めいたことを交わしながら、この日は夕餉を早くに片付けて

仕事に備えることにした。


エルフ「お前さんが…」

男「…ん?」

エルフ「…いや、何でもない」




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