過去ログ - 男「うちの猫が死んだ」
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2014/05/24(土) 01:12:38.55 ID:LOg8dpG90
桜がお気に入りの場所としている窓際で、ちょっと大きくなった体を膝に座らせて頭を撫でる。

楽しそうに尻尾をゆらゆらさせている。

初夏の涼風が心地よく二人の髪を揺らした。

しかし、耳の辺りを撫でていて気が付いた。もう少ししたら夕飯の買出しへ行く約束だ。

となれば桜のこの耳は何うしたら良かろうか。まさかこのまま表へ出るわけにも行かない。

頭を隠すもの……、家の中を見渡せば、昨夏から出しっぱなしのカンカン帽があるではないか。

男「桜、ちょっといいかい?」

桜を脇へ下ろす。

それから帽子を取ってくる。うっすらと積もった埃を払ってから桜に被せてみる。

桜「ごしゅじん、これなに?」

男「外へ行くときにかぶるんだよ。」

桜「どうして?」

こくりと首をを傾げる。

男「桜の耳をほかの人が見たらびっくりしちゃうからね。」

男「桜だって、猫の友達と集まってる所に犬が来たらびっくりするだろう?」

桜「わかった。」

幾分か生返事なのは、やはり初めての帽子がむずむずするようで、

むぅとかあぅとか言いながら丁度良い帽子の位置を探しているからだ。

男「みみをぺたんと畳んでみたらどう?」

助け舟を出してやる。

一度帽子をあげて、耳を折ってからもう一度かぶる。

桜の顔がぱあっと綻んだ。

暫く経ってからもう脱いでいいよ、といってもずっと被っているので、帽子もお気に入りになった様だった。


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