38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/29(木) 23:47:55.34 ID:3zYzhVf10
平屋の立ち並ぶ古い住宅街を歩きながら、視点の高さに感嘆の声を漏らす桜を左手に具してゆく。
こんなに楽しそうな桜を見るのは初めてだ、と感じるのは表情の有無の所為だろうか。
不意に、桜が歩道脇の草叢にしゃがみこむ。
桜「ごしゅ…、にーさん、これ、とったよ!」
手の虫籠の中には、少し気の早い蜻蛉が居た。
塩辛蜻蛉だ。 青く涼しげなその体に目を輝かせる桜につられて、私まで少年のようにわくわくする。
因みに、「にーさん」とは、外では「ごしゅじん」でなく兄ということになってるからだ。
桜はうれしそうに「にーさん、にーさん」と花や虫を見つけては私に見せて歩いた。
家々の並ぶ道を抜けると、商店街とスーパー、駅のある大通りへ出る。
人や車のの多さ故か、知らぬうちに桜と手をつないで歩いた。
48Res/17.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。