18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:10:41.26 ID:Le++7Cc10
千川さんに向き直る貝木。
しかしお嬢さんって歳でもないんじゃ……なんて言った日には池袋とタッグで身体を改造されていてもおかしくない気がするので止めておこう。
「なあお嬢さん、俺は詐欺師だが、この化粧水は本物だぜ。普通の化粧水とは違う。魅力を数値化して増大させる魔法とも言っていい逸品だ。アイドルに使うのは阿良々木が許さんだろうからなしとしても、自分で使うなら問題ないだろう?」
包装された小瓶をちらつかせ、説明を始める貝木。
「本来ならばこのお試し版で度肝を抜いた後にタダ同然の化粧水を大量に買わせ逃げようとしたのだが……女にとって美は命よりも大切だろう? 騙されたと思って、どうだ、買わんか」
最初に本物をタダ同然で与えておいて後で偽物を大量に売りつける、か。
詐欺師のやりそうな手口だ。
しかしそんなもの、千川さんが買うとは思えないし――。
「……ちなみに、おいくらですか?」
「千川さん!?」
「黙っていろ、お前には関係ないだろう」
「黙っててくださいプロデューサーさん」
「な……」
まるで蚊帳の外だ。
余接ちゃんは飽きたのか勝手に冷蔵庫からシュークリームを取り出して食ってるし。それ三村のだぞ。
貝木も千川さんも阿吽の呼吸で懐から同時に電卓を取り出す。
今まさに、ここにて世界一の商売人と詐欺師の対決が始まろうとしていたのである。
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