22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:14:06.43 ID:Le++7Cc10
「人間は元々欲深い人間だ。直心雀はそこにつけ込む。取り憑かれた人間は自覚もないままに欲望だけが増進する。それくらいならまだ個人で完結するからいいんだけれど、この怪異は取り憑いた人間が持てる最大の能力で金を稼ぐ。それ以外のことは何一つ顧みずに、ね。取り憑く相手によっては世界の経済すら動かしてしまうんだ」
まあ、簡単に言えば貝木のおじさんみたいになっちゃうんだ、と付け足す斧乃木ちゃん。
なにそれ怖い。
「鬼のお兄ちゃんの財布が危ないから、治してこいってお姉ちゃんに言われたんだった」
「それは有難いけど……治せるのか? 言っとくけど、こんな場所で『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』を使っちゃ駄目だぞ?」
「えっ」
「えっ、て使う気だったのかよ!」
「事務所ごと吹っ飛ばして後腐れ無いようにしようかと」
「大雑把すぎる!」
ダメだ、影縫さんの影響がこんなところに。
あの人基本的に腕力で解決するからな……。
「まあ、鬼のお兄ちゃんの首も一緒に吹っ飛ぶけどね」
「大して上手いこと言ってないからな!?」
「大丈夫だよ、鬼のお兄ちゃん。目には目を。怪異には通例を」
斧乃木ちゃんは肩から下げていたポシェットから一握りの米を取り出す。
「それは……米?」
「直心雀も所詮は雀……怪異仕様に品種改良したこのお米があれば、手の平返して飛びつく」
えい、と目算もなく適当に二人に向かって米を投げつける斧乃木ちゃん。
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