19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:51:02.83 ID:Le++7Cc10
「とにかく、羽川も森久保を探すのを手伝って――」
「駄目だよ。私は手伝えない」
羽川は僕の言葉を最後まで聞くことなく断言する。
その語気には、確固とした拒絶の意志が含まれていた。
「何を……」
「たぶん、なんだけど……乃々ちゃんは、阿良々木くんに見付けて欲しいんじゃないかな」
「僕に?」
羽川は続ける。
「本当に、本気でアイドルをやるのが嫌だったのなら、とっくにやめていると思うの。方法と機会は幾らでもあった。それでも続けていたのは……」
「…………」
これは、森久保の最初で最後の反抗なのかも知れない。
いつも俯いて、眉を顰めて、視線を外し、全てから逃げていた少女。
彼女は、何から逃げたかったのか。
それは、何よりそんなネガティブな自分自身だったんじゃないのか?
羽川の言う通り、本当にアイドルがやりたくないのなら事務所にも来ないだろうし、家から電話等でその旨を伝えることだって出来ただろう。
しかし森久保はそれを一切しなかった。
毎日、律儀に事務所に来ては僕から逃げていた。
そんなの、もう言うまでもないじゃないか。
「……ありがとう、羽川。やっぱりお前は最高だ。僕のプロデュースの下、アイドルになってくれ」
「それは嫌かな……」
僕の提案を考える間も無く一蹴すると、私は邪魔者だから、と一度席を外す羽川。
35Res/29.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。