14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/22(木) 23:17:52.52 ID:ghIr9dOlo
わたくしが、自らの隠れ場所を探しておりますと、
「綺麗な髪ですね」
という声が聞こえました。
振り向くとそこには、今のわたくしと同じ、銀色の髪をした女が立っております。
わたくしは、思わず、
「きれい……」
と呟きました。
するとその女は、
「それでは、換えてあげましょうか」
と言いました。
わたくしは、ただ一言、
「うん!」
と答えました。
その瞬間、女は消え去り、わたくしは自身の愚かさや浅はかさ……そして、この世には掛け替えのないものがある、ということを知りました。
その晩は両親に激しく叱責され、一晩中泣き明かしました。
それからというもの、わたくしには絶えず奇異の視線が向けられます。
ですが皮肉なことに、わたくしの今のこの立場は、この髪によるものが大きいのも事実。
恐らく、この髪がなければ、わたくしがこの道を進むことはなかったでしょう。
わたくしは今でも思うのです。
あの女はいったい何者で、目的は何だったのでしょうか、と。
ひょっとすると、わたくしをこの道に導くために現れたのかもしれない……と。
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