15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:06:26.08 ID:Kviglz0so
プロデューサー、大丈夫ですか。準備……私に負けず、機械音痴なんですから。
……そうですか。
……世紀毎の時間と瞬間的な時間? いえ、知りません。
エリック・サティはほら……ジムノペディですよね。私、それは好きですけど。
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2014/05/24(土) 15:06:55.35 ID:Kviglz0so
優は五歳くらい……四歳だったかな、ともかく、小学校入る前に死んじゃって。
ええ、その……私が優を殺したのは二年前です。忘れもしません……それについては、ええ、話しますよ。
今はまだ……えーと、どこまで話しましたっけ。
ああ、全然話してませんね。
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2014/05/24(土) 15:07:33.06 ID:Kviglz0so
それで、お母さん、高いお金払って何だかよく分からない置物買ってきたんです。
……人形だったかな。
人型で、口が開いてて……でもやっぱり空ろで……なんか気持ち悪かったです。
ね、それで、お母さん、その人形を抱いて、優の名前を呼ぶんです。
……気持ち悪いですよね。私も、すごく嫌でした。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:08:11.85 ID:Kviglz0so
さすがに家の外までは持って行ってなかったみたいで、お母さんが出掛ける時は、
用意されてた専用の椅子に座っていたんです。
それで、私が学校から帰ってきたある日……お母さんは出かけていて……。
いつもの様にただいまって言ったんです。
癖ですよ。いつもの癖。誰も居なくっても、ついつい……まあ、それは構いませんが。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:08:37.49 ID:Kviglz0so
ただいまって言ったら……その人形がおかえりって言ったんです。
……いえ、優がおかえりって。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:09:03.57 ID:Kviglz0so
……プロデューサー、平気ですか?
………………
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:09:31.46 ID:Kviglz0so
ええ、いや……私、本当に腰ぬかしちゃって。
だって……あの……今考えたって狂ってます……あの、私怖かったんですけど、その時信じたんです。
お母さんのこと。
だって、本当に優だったんだ。って、そのおかえりの一言で信じちゃったんです。
優? って私が訊くと、優はお姉ちゃん? って訊くんです。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:10:10.86 ID:Kviglz0so
特に変わりないんです。
ただ、その人形、おかしかったんですよ。
……いや、始めからおかしい点ばかりですけど。
本当に優だって思ったとは言いましたけど、なんだか変なんです。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:10:46.67 ID:Kviglz0so
……優は五歳くらいで死んじゃったんですよ。
その、人形の優と話しているうちに何だか妙な……。
私、色々話したんです。……おかしいですか?
今も話せるなら話したい……変ですよね。あんなインチキ……なのに。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:11:12.19 ID:Kviglz0so
――優は十一歳でした。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:11:40.08 ID:Kviglz0so
その……私が考えただけなんですけど、憑依した魂……仮に魂とするなら。
その人形に宿った魂は、この世界の死んだ優じゃなくて、
別の世界の生きている優の魂だったんじゃないかって……。
……その優は生きていました。確かに。
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